近年、冷えのぼせの方が増えています。
冷えのぼせは単なる冷え症より重症です。
鍼灸治療でも時間がかかります。
冷えのぼせの代表的な症状です。
●頭、上半身は熱いけど、下半身は冷えている。
●手のひらや足裏がほてって熱く、じっとり汗をかく。
●急に暑い環境に身をおいた時、
胸より上がカーッと熱くなり大量の汗が出る。
たとえば、冬、外から暖房のきいた環境に入った時など。
冷えのぼせの本体は「冷え」。
だから温めればいいのですが、
冷えのぼせの方が難しいのは、
温めるとのぼせてしまうこと。
あまりにのぼせが強くなると、
気分が悪くなったり、倒れたりすることもあります。
入浴も、温まる前にのぼせてしまいます。
だからといって温めなければ冷えは改善しません。
難しい点は、ただ温めればいいというわけではないということ。
熱がこもらないようにしながら温める、それがポイントであり難しいのです。
たとえば冷えている足を温めても、
熱が冷えている足の芯に入っていかず、
表面だけ熱くなり、その熱は上に行って、
頭・顔がほてってしまう。
温めたいところが温まらないのです。
また冷えのぼせは、
自律神経症状や女性ホルモンの乱れ、
更年期障害などが絡んでいることも多く、
それらの症状も同時に改善しなければよくなりません。
冷えのぼせは即命に関わる症状ではありませんが、
かなり困難な症状です。
本気で長期戦の構えで取り組まなくては、
改善しないのです。
鍼灸治療の現場では、
まず冷えている足やお腹を徹底的に温めます。
お灸やホットパック、光線療法など、
症状・状態に適した手段を使用。
この時、頭が熱くなる場合は保冷剤で冷やしながら治療します。
また、皮膚表面を温めるだけでなく、
ツボに刺激をするということは、
経絡の中に、体の中に、しっかり熱を入れることができるのです。
ここが単に表面から温めるのとは違います。
また、ただ温めるだけでなく、体全体を調整し体質を改善するための「本治法」を行うことが重要です。
※参考記事:標治法と本治法
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