鍼灸専門学校に入学し、学内の脈診研究班と学外の経絡治療学会で経絡治療を学ぶようになりました。
経絡治療では、患者様の状態を把握するために体のさまざまな状態をチェックするのですが、
その中のひとつに脈診があります。経絡治療では脈診をとても重要視しています。
手首近くの左右の脈をみるのですが、それが12本の経絡に配当されます。自分で自分の脈をみてびっくりしました。
腎の脈が無いのです。感じられないのです。他の脈は確かにあります。しかし腎の脈だけ感じることができない。
私の感覚がおかしいのか、初心者で未熟だからわからないのか。いろいろな指で触れてみても、
やっぱり腎の脈だけが無い。
東洋医学で腎は腎精といい、生命力そのものをあらわします。その腎のエネルギーが無いのです。
腎の気が少ないことを腎虚といいます。私ってひどい腎虚なんだ、ということに気づきました。
腎虚は気・エネルギーの消耗です。夫の看病・死・悲しみ・環境の変化などで、相当エネルギーを消耗していたのです。
これだけの腎虚だったら、体が動かないのも当然です。髪の毛がたくさん抜けるのも納得しました。髪の毛は腎の支配下なのです。
私は自分のことを、ちょっと疲れているけどそこそこ元気だと思っていましたが大違い!この脈では平均以下です。
平均以下のエネルギーしかない人間に人様の治療ができるわけありません。この現実に愕然としました。
このころの私の体の状態は、冷え症・極度の生理痛・生理不順・不眠症・花粉症・首肩こり・腰痛などの症状がありました。
どれも決定的な病気ではないので仕方ない症状だと思っていました。甘かったです。
最初の患者は自分自身だと気づき、徹底的に鍼灸治療をしました。脈診班でお世話になっている先生に週一回治療をしていただき、
毎日自分で自分に鍼を打ったりお灸をしたりしました。手が届くところどこでも鍼を打ちました。
鏡を見ながら頭や首にお灸をしました。自分でできることは何でもやりました。
やっていると、体がもっともっとやってほしいとうったえ止まらなくなります。心地よくてたまらないのです。それだけ治療を必要としてたのでしょう。
もはや鍼灸は私の人生になくてはならないものになっていきました。
NEXT >
copyright 一般社団法人女性の鍼灸 womens-acupuncture