「病は気から」とよく言います。この意味は
「病は気持ちの持ちよう」、気持ち次第ということ、
もちろんそれも含まれます。
でも、東洋医学ではそれだけではないのです。
まさにこの言葉そのままの通り「気」から病になる、
目に見えない何らかの「気・エネルギー」というものがあり、
それが肉体に現象として現れます。
そして、肉体に不具合・不快感をもたらす気を「邪気」と言います。
「病は邪気から」とも言えます。
邪気というと、なんかおどろおどろしもののような気がする人も多いかと思いますが、
東洋医学で扱う邪気は、そういうものではありません。
東洋医学で扱う邪気は、大きく次の3つに分けられます。
自然現象 | 外因(外邪・六気・六淫) | 風邪・寒邪・湿邪・燥邪・熱邪・暑邪 |
感情 | 内因(七情) | 怒・喜・思・悲・憂・驚・恐 |
生活習慣 | 不内外因 | 飲食失節・偏食・労逸・五労・外傷・房事不摂生 |
病の原因のひとつ自然現象によるものを外因といい、外邪と言ったり、六種類あることから六気・六淫(りくいん)とも言います。 その六種類は、風邪(ふうじゃ)・寒邪(かんじゃ)・湿邪(しつじゃ)・燥邪(そうじゃ)・熱邪(ねつじゃ)・暑邪(しょじゃ)。
あちこち動き回る、進展が早い、変化しやすいといった風の性質に似た邪気を風邪と言います。
まさにカゼのひき始めにみられる症状。あちこちの関節が痛んだり、急に熱が高くなったり、
鼻水、のどの痛みなどの症状が出たりします。
また、風邪(ふうじゃ)は一般的なカゼ症状だけではありません。
めまい、皮膚のかゆみ、けいれんなども、風邪によるものもあります。
体を冷やす邪気。冷え=寒邪には、下へ向かう性質・中へ向かう性質があります。
そして寒邪には冷えだけでなく、痛み・ひきつれ・こわばりといった症状もあります。
たとえば、筋肉に冷えが入ると、筋肉がこわばったり、ひきつれたりします。
また、風邪は寒邪といっしょに体に入ることがよくあります。
これが一般的なカゼ症状です。
寒邪が脾や胃に入ると、下痢や吐き気といった症状が出ます。
湿気も過ぎれば邪気になります。
湿邪は重い・停滞する・下降するといった性質があります。
湿邪の下降作用から、下半身に症状が現れやすく、
湿邪が停滞すると、重だるい感じのむくみとなります。
湿邪が胃腸に入ると、胃腸が重だるくなり、動きが悪い、すっきりしない、
ひどくなると悪心・嘔吐などの症状が出ます。
こんな時、舌や便がネバネバ・ベトベトします。
乾燥の邪気。 乾燥すると、口・唇・鼻・皮膚がカサカサ乾きます。 燥邪が呼吸器系に入ると、喉の乾燥・痛み、咳などの症状がでます。 秋から冬、空気が乾燥する季節は要注意。
日射病・熱中症のことです。
暑さにより、体温が上がり、汗をかき、水分が不足し、体力も消耗します。
重症になると嘔吐・けいれん・意識障害などの症状がでます。
近年日本の夏はかつてより暑くなり、熱中症予防が重要視されるようになりました。
熱中症ではない、熱(発熱・ほてりなど)症状のこと。
熱は上昇作用があるので、上半身とくに顔面に熱症状が現れやすいです。
のぼせ・頭が割れるように痛む・口の中に潰瘍ができるといった症状が出やすく、
精神や意識に影響が出ることもあります。
軽いものだと、イライラ、落ち着かない、興奮して眠いれない、
重症になると、言語がはっきりしない、意識不明などの症状が出ます。
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