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鍼灸と乳がん治療〜かかりつけ鍼灸師とのがん治療〜


【第20回】胸の再建①(カテゴリー:再建)


私は左胸を全摘出しました。 胸が全部なくなると聞いた時、どれだけショックだったか… と、当時の気持ちを熱く語ろうかと思いましたが 情けないことにあまり思い出せません。

かなり悩んだしショックだった。 とても不安だったのは事実です。 目先のことしか考えない私としては 「これから先、胸がなくなったらまともな恋愛は無理だな」 と思ったのが正直なところです。

見せびらかして歩くものではないけど、 胸がないよりあったほうがいいだろうし、 駅の売店やコンビニで、水着のグラビアアイドルが表紙になった雑誌を見かけると 「魅力的な女性=胸あってこそ」という気がして、 そうか私には女性の象徴がなくなるのだな、と思いました。

胸への思いとは別で、主治医は 「胸より命が大事。命がかかっているのだから、摘出は仕方ないでしょう」 (と、直接言われたわけでないですが)といった感じだったので 「どうにか胸を温存してください」とすがる余地はありませんでした。

私自身も「命へのリスクがあるなら全摘出したほうがいい」 という気持ちが強かったので早々に温存のことは考えなかった気がします。

どうしても温存したい場合は温存を視野に入れた手術や治療があるので、 どうしても!という方には相談したら良いと思います。

私の場合、ありがたかったのは、 早い段階で主治医から乳房再建(失われた乳房を形成外科の技術によって再建する) を提示してもらえたこと。 「中途半端に温存するよりスッキリ取ったほうがキレイに仕上がりますよ」 と言ってくださった形成の先生にも感謝。 失うものがあっても胸の再建ができるという情報はひとつの希望になりました。

胸の再建といっても手術や方法はいくつかあります。 その人の治療プログラム(放射線治療をするかしないか)や病院の施設、 主治医の考え方などによって検討すべき問題はたくさんありますが、 まず大きく分けて 自家組織(自分のお腹や背中の肉で胸を作る)と人工(インプラント)があります。

私は手術のギリギリまで再建の方針が固まりませんでした。 結果的に手術と同時にエキスパンダーを入れてもらえることになりましたが、 そこからもなかなか大変な毎日でした。

つづく

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