タイトルの言葉は私が考えた造語です。
こんな言葉、世の中にはないと思います。
先日、同じ病気をした友達と話していたのですが、病気の経験を顔と本名をさらけ出し、メディアに出る活動をしている方を見ると単純に「すごいな」と思うのと同時に「私には絶対にできない」と思います。したいとも思いません。
自分の経験を語り「乳がんの早期発見」を啓蒙する活動は確かに世の中の人のためになると思います。大事なことだろうと思います。
ただ、それは現在病気をしていない人にとっての話です。
このような活動を病気経験者の視点から見ると(私の場合ですが)、正直あまり見たくない、という気分になります。
早期発見じゃなかった人、ずっと深刻に病気と向き合っている人、不安を煽るような情報を知りたくない人、いろんな気持ちを抱えた人がいるからです。
「病気をしたけど、そんな経験も今の自分を形成している。病気をしたことでよかったこともある。前向きに頑張りましょう」的な表現を目にすると「あぁいやだな」と思うのです。
私の性格が歪んでいるだけかもしれませんが、病気ってそんな綺麗事でもないし、前向きに生きるための素晴らしい経験でもない。
病気をせずに済むのなら、しなかった方がいいというのが本音です。
そういう活動、ある意味暴力的に情報が入ってくるのはどうなのかなと思います。
常々思うのですが、乳がんとはお金になる病気なのだと思います。
女性特有の病気は、男性がなかなか口を出せない病気。
女性のシンボルに傷が付くこと、失うことはある意味ドラマティックでエモーショナル。
女性をターゲットに、化粧品、下着などの各メーカーがピンクリボン活動に協賛しているのも、そういうことです。
ピンクリボンだと言って、東京タワーをピンクにするなら、胃がん、肺がん、大腸がんなど、それぞれ東京タワーに色をつければいいのに、と思いますがこれも私がひねくれているのでしょうね。
「病気をしても前向きな私」をアピールするより、今辛い人に役立つ情報を発信して欲しいです。理想を語るより現実的な情報がもっと増えてくるといいなと思うのです。
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