最近、髪のことを考えていました。
身近な知人が今、治療で脱毛が伴うことで悩んでいるため、自分の過去を思い出します。脱毛については考え方に個人差があると思いますが、多くの女性にとっては大きな問題だと思います。
今、ドラマの主人公の髪がくるくるパーマで(天然パーマという設定)とても可愛いのでやってみたいなぁと想像してみましたが、そんな願望も「髪が健康な状態で生えてくる」という前提があってこその発想です。髪があること、髪型を変えて楽しめるのは幸せなことです。
髪がなくなる苦痛は、私の場合、見た目の変化より第一に「あの人、きっと悪い病気なんだ」と他人に思われることでした。「かわいそうに」と噂された日には、どこにもぶつけられない感情を抱えることになります。第二に苦痛なのはウィッグ。ウィッグだとバレたらやはり病気を疑われます。
ウィッグを楽しみ、自分の病気を公表できる精神的な強さがあればいいですが、多くの人はできる限り隠し通したいと思うはず。何事もなかったように、しれっと過ごしたい私は後者でした。
私は髪が抜けずに済む新薬を開発できる知識も技術もなく非力ですが、今もどこかで治療と向き合いながら、後ろ向きになっている方がいらっしゃると思うと、私がやってみたこと、試してみたことをここに記しておきたいと改めて思います。
化学療法が始まると決まったら、現実的に用意しなければいけないのは、
◎ウィッグ
◎医療用帽子
です。
ウィッグも色々あります。
まず、ファッションウィッグと呼ばれる、おしゃれ目的でかぶるもの。
コスプレが趣味だとか、おしゃれ目的で被るウィッグの類です。
これは駅ビルやインターネットなどでも手軽に購入できます。
数千円〜1万円くらいで購入可能。
難点はほとんどのものが人工毛。人工的な毛なので、ビニールに似たテカリ感が否めず「ウィッグだな」とバレやすいこと。
私がずっと不自然に思っていたのは、ファッションウイッグのつむじ。
漢字の「米」に似たつむじで、頭頂部から放射線状に髪が生えているように作られたものです。
【ファッションウィッグのよくあるつむじ】
生活の中で、人のつむじを意識して観察している人がどれだけいるかわかりませんが、女性の場合ショートヘアなどでない限り、頭頂部は髪がセンターで分かれています。ファッションウィッグはこのつむじが「米」でできているものがほとんどです。
そしてこのつむじだと、頭頂部にボリュームがなく、ぺったりした印象。
私はこの手のものをひとつ購入しました。
私の抗がん剤治療は、冬だったため、このファッションウィッグの上からニット帽をかぶって頭頂部を隠しました。
夏なら、麦わら帽子などで良いと思います。
最近、帽子は年中流行っているので、被り物との組み合わせはオススメです。休日のスタイルはこれでほぼ事足ります。
(もちろん、ファッションウイッグで充分な方は、色々なウィッグを買ってスタイルチェンジを楽しむのも良いと思います。)
そして、人工毛のテカリを軽減させる画期的な方法にたどり着きました。
パウダーinの制汗スプレーです。
ウイッグ全体に、制汗スプレーをふりかけると、細かなパウダーが人工毛の表面を覆い、マットな質感に仕上がります。不自然なツヤとテカリが抑えられます。
私の髪への執着はまだまだ続きます。
つづく
NEXT >【第12回】
copyright 一般社団法人女性の鍼灸 womens-acupuncture