Yさんは子供の頃からアトピーがあり、
特に顔の症状がひどく、
長期にわたり(14~38才)、顔にステロイドを使用してきました。
しかし、ステロイドに疑問を持ち、39才の時ステロイドをやめることを決意。
この時Yさんは、脱ステロイドを勧めている医師を探し、受診しました。
その医師の指示は「お湯で洗って、あとは何もつけないこと」それだけでした。
Yさんはそれを実行。
1ヶ月ほどすると、いつも赤かった顔の赤みが引いてきました。
そして膿が出てきました。
膿が出てはかさぶたができ、かさぶたが取れるとまた膿が出る、
その繰り返し。
3ヶ月ほどすると、自分の本来の皮膚が少し出てきたそうです。
しかし、膿とかさぶたの繰り返しは、まだまだ続きました。
その間、すごく痒い、痒くて痒くてたまらない。
まだまだ弱い皮膚は、日光にあたると、アレルギーを起こしてしまう。
でも、我慢しました。
ステロイドをつければ痒みが引いて楽になるのはわかってる、
でもそれじゃあ後戻り。
Yさんはとても意志の力が強い方で、
頑張り続けました。
今やらなければ、、、
今じゃななきゃできない、、、
今ならできる!
そう思って、脱ステロイドを続けたのです。
一年ほどすると、状態が少しずつ落ち着いてきました。
膿も、痒みも、少なくなってきました。
徐々に、徐々によくなって、
自分の本来の皮膚が強くなってきました。
そのままずっと脱ステロイドを続け、今に至っています。
今では何もつけなくても、お肌は潤っています。
Yさんは、ステロイドをやめてから10年ほどたったころ、体の疲労感を感じるようになり、鍼灸治療を受けるようになりました。
鍼灸治療を始めたころ、アトピー症状はおさまっていましたが、
顔の皮膚の感覚がにぶく、
顔に鍼を打たれても、あまり感じない、
まるで何かを顔にかぶっているように感じられたそうです。
頭も同様の感覚でした。
ステロイドをやめるだけでは解決しない何かがあるのかもしれません。
鍼灸治療では、顔や頭にも施術を続けています。
次第に顔や頭の感覚が戻ってきています。
Yさんはこうおっしゃいます。
「ステロイドをやめるだけでは不十分なんです。
食生活、衣類、洗剤、水、その他もろもろ、
生活全般を変えないとダメですね。
よく、ステロイドをやめたいという人から相談されるんですが、
私がやってきたことをいろいろ話すと、
みなさん、そこまではできないなあ、と言うんです。
結局そういう人は、やめられないですね。
いろいろなタイミングで、あの時だからできた、
と今では思います。
それまでは、仕事や社会生活などもあって、
できませんでした。」
長年使ってきたステロイドをやめるのは、そうとうな覚悟が必要です。
つらい時期は何年も何年もあることでしょう。
自分の人生をかけるくらいのことだと思います。
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