自律神経とは、「自分の意思とは関係なく、自動的に働いてくれる神経」です。
たとえば、私たちは自分の意志で心臓を動かしたりすることはできません。
しかし速くなったり遅くなったり、状況に応じて適した動きが自動的になされます。
また物を食べると、胃や腸は自動的に消化活動を行います。
暑いから汗をかかなくちゃ、といって、自分の意志で汗をかくわけではありません。
体にとって必要だと、自然に汗が出てきます。
これらの働きは自律神経によるものです。
自律神経は、生命維持にかかわるさまざまな機能を
自動的にコントロールしてくれているのです。
(そのお陰で、走ることに集中できたり、食物を味わったりする余裕があります。
ありがたいことです!)
自律神経の中枢は脳の視床下部というところにあります。そこから出た自律神経は脊髄を下り、脊髄の外に出ていきます。
そして自律神経は血管に巻きつくようにしてはりめぐらされ、全身の器官に分布しています。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、両者はバランスをとりながら働いています。
交感神経は、
身体の活動が活発になると働く神経で、
基本的に日中の活動時は交感神経の方が優位に働きます。
また、興奮したり緊張すると優位になります。
動物は敵に狙われると、緊張がはしり、心拍数が上がり、一気に逃げ出します。
このとき優位に働くのが交感神経であることから、
交感神経は「闘争と迷走の神経」と呼ばれています。
また逆に、獲物を追いかけるとき活発に働くことから
「エサとり神経」とも呼ばれています。
強いストレスが加わり興奮した状態、この時優位になるのが交感神経です。
交換神経のおもな働きを上げてみましょう。
・心拍数を上げる
・血圧を上げる
・気管・気管支を拡張する
・瞳孔を開く
・消化器系の働きを抑制する
副交感神経は、心身ともにリラックスしている時働く神経で、
夕方から夜にかけて休息すると時優位になります。
副交感神経は、消化液の分泌を促したり、腸管を活発に動かす一方で、
血圧を下げ、心拍や呼吸を安定させます。
睡眠に導くのも副交感神経の働きです。
交感神経と副交感神経のおもな働きをまとめてみましょう。
交感神経 | 副交感神経 | |
心拍数 | 上げる | 下げる |
血圧 | 上げる | 下げる |
気管・気管支 | 拡張する | 収縮させる |
瞳孔 | 開く | 閉じる |
消化器系の働き | 抑制する | 促進する |
ここで注目していただきたいのは、交感神経は
消化器系以外は機能を亢進させるのに、消化器系だけは抑制です。
「敵に襲われたっ!逃げろ~っ!」
という時、心拍数が上がり、血流が活発になって血液は筋肉に集中し、
逆に臓器への血流は少なくなります。
この時、ゆっくり消化活動をするって状況じゃないですよね。
交感神経が優位に働いている時、消化機能は低下する、ということです。
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