私は手術と同時に胸にエキスパンダー(人工インプラント)を入れました。
手術後に胸の喪失感がだいぶ減る、とのことでしたが私もそうだったなと思います。
私は服を着たときのシルエットの違和感や喪失感を少しでも軽減することを考えて希望しました。
人工インプラントは、手術後に平らな胸を見るより、少しでも膨らみがある方が良いと思う人にはオススメします。
乳がん仲間の考え方はそれぞれで「病気の悪だから、いっそのこと根こそぎとって、何もないほうがいい」と再建を考えない人もいましたし、
子供がいる人は「小さい子供と一緒にお風呂に入った時にびっくりすると思ったから再建した」と言う人もいました。
樹木希林さんは乳がんになったときに「胸なんて邪魔だと思ってた」とコメントされていて胸に対する価値観は人それぞれだなと思います。
何が良いか、何を選択するかは自分次第でいいと思います。
私が手術と同時に入れたエキスパンダーとは組織拡張器です。拡張器は後から入れるシリコンバッグのスペースをあけるためです。
手術時に乳腺部分を除去し、除去したスペースに風船のようなものを入れます。
皮膚は放置するとのびなくなるそうで、胸の皮膚を出来るだけのばすことが必要なのだとか。
そして術後1ヶ月後から、そのエキスパンダーに少しずつ生理用食塩水を入れて皮膚をのばすことを行なっていきます。
専用の注射器で生理用食塩水を足していくのですが、だいたい1回50mlから100ml
それを月に1回程度、胸の再建専門のクリニックで入れてもらいました。
ちょっと面白いなと思ったのは、生理用食塩水の量が自由自在だということ。
入れるだけ入れて「なんか重い、苦しい」と言えば「はいはい」と言いながら注射器で水を抜いてくれました。
そうして私は約8ヶ月エキスパンダーを入れた生活を送りましたが、辛かったのは胸の左右差があるためバランスが悪く肩こりがひどくなったことです。もともとひどい肩こりだったのが、肩と背中の重だるさは修行のようでした。
術後はなるべく腕を動かし、運動もOKでしたが、なかなか肩や背中の痛みは改善されませんでした。そんな中、ずっと続けたのはお灸でした。
もうなんでもお灸に頼っていますが、痺れからエキスパンダーの辛さまで万能だったなと思います。
胸の再建について、つづく。
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