秋、再入院した夫、病状はどんどん悪化していきました。
全身の痛みが強くなるにつれ痛み止めのモルヒネの量が増え、それに伴い寝ている時間が増えていきました。
だからといって決して楽な状態ではなかったと思います。
ある時、夫が寝言で「ペースが速い、ペースが速い、、。」と言いながらゼイゼイ、ハアハアしています。
どうやら夢でマラソンの練習をしているようです。実際の息苦しさが夢の中でマラソンの練習という形で
表れたのでしょう。痛み止めを使っているとはいえ、とても苦しいんだと思います。
夫の痛みや息苦しさはどんどん増していき、そんな状態を見ていると「もういい、、もう十分だよ。。」
そう思うようになっていきました。
その冬、夫は息をひきとりました。享年32才。
すぐにお通夜・告別式の準備です。事務的にいろいろ決めなくてはならないことがたくさんあります。
こういった現実的な作業があるほうが、少しでも気がまぎれるのかもしれません。
若いせいか、葬儀にはほんとに多くの方にいらしていただきました。温かい言葉をかけてくださった方も
たくさんいらっしゃいます。ほんとにありがたかったです。
葬儀も終わり家に帰ると、家の中がシーンとして冷たく薄暗く感じました。
葬儀の時の花々がドカンとあって、それがかえって寂しく思えます。
そしてひとりになると、涙が止まりません。声を出してワンワン泣くのです。
いつまでもいつまでも泣き続けました。泣き疲れるとはこういうことかと思いました。
疲れてもさらに涙が出てきます。
こうした日々がずっと続きました。とにかく泣き続けました。泣くのをやめる必要はないし、
むしろ心の中に押し込めるより外に出した方がいい、そう思ってました。
それにしてもよく泣くんです。苦しくなるくらい泣いていました。
もともと涙もろい方ではない、その私がこんなに泣くなんて、
自分でもびっくりです。
NEXT >
copyright 一般社団法人女性の鍼灸 womens-acupuncture