女性の鍼灸 women's acupuncture

女性の鍼灸心と鍼灸

夫との死別による心と体への影響


【第5回】夫、息をひきとる


秋、再入院した夫、病状はどんどん悪化していきました。 全身の痛みが強くなるにつれ痛み止めのモルヒネの量が増え、それに伴い寝ている時間が増えていきました。 だからといって決して楽な状態ではなかったと思います。

ある時、夫が寝言で「ペースが速い、ペースが速い、、。」と言いながらゼイゼイ、ハアハアしています。 どうやら夢でマラソンの練習をしているようです。実際の息苦しさが夢の中でマラソンの練習という形で 表れたのでしょう。痛み止めを使っているとはいえ、とても苦しいんだと思います。

夫の痛みや息苦しさはどんどん増していき、そんな状態を見ていると「もういい、、もう十分だよ。。」 そう思うようになっていきました。

その冬、夫は息をひきとりました。享年32才。

すぐにお通夜・告別式の準備です。事務的にいろいろ決めなくてはならないことがたくさんあります。 こういった現実的な作業があるほうが、少しでも気がまぎれるのかもしれません。

若いせいか、葬儀にはほんとに多くの方にいらしていただきました。温かい言葉をかけてくださった方も たくさんいらっしゃいます。ほんとにありがたかったです。

葬儀も終わり家に帰ると、家の中がシーンとして冷たく薄暗く感じました。 葬儀の時の花々がドカンとあって、それがかえって寂しく思えます。 そしてひとりになると、涙が止まりません。声を出してワンワン泣くのです。 いつまでもいつまでも泣き続けました。泣き疲れるとはこういうことかと思いました。 疲れてもさらに涙が出てきます。

こうした日々がずっと続きました。とにかく泣き続けました。泣くのをやめる必要はないし、 むしろ心の中に押し込めるより外に出した方がいい、そう思ってました。 それにしてもよく泣くんです。苦しくなるくらい泣いていました。 もともと涙もろい方ではない、その私がこんなに泣くなんて、 自分でもびっくりです。

つづく


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