Mさんが初めて鍼灸治療を受けた時の主訴は主に
・ほてり、汗、特に夏
・右肩甲骨内側動かす時の痛み
・頭痛、月に3、4回
ということでした。
まず肩甲骨内側の痛み、これはジムで運動をするようになってからで、
約1年前から続いていました。
他の治療院へ行っても、改善されないとのこと。
これ対しては、1回の鍼灸治療でかなり痛みが軽減、
2,3回の治療で、ほぼ痛みがなくなりました。
重症なのは、ほてりの方です。
頭痛も、ほてりを含め全体的な体質と関係しています。
こちらは数回で、、、というわけにはいきませんでした。
Mさんは過去に婦人科系の手術(開腹)を4回しています。
そのため、女性ホルモンや自律神経のバランスがあまり良くない状態、
そのためにほてりや汗が強く出ている様子。
東洋医学的にいうと「陰虚」です。
頭がほてって、汗がダラダラ滝のように出てしまう、
しかし、足やお腹は氷のように冷えていました。
足やお腹は、温めても温めても、なかなか温まらない、
頑固な冷えでした。
しかし頭は熱くて熱くてしょうがない。
冷えよりも熱さを強く感じるため、
冷えている自覚はあまりありませんでした。
鍼灸治療としましては、
まず冷えている足やお腹を徹底的に温めました。
お灸やホットパック、光線療法(コウケントー)など、
あらゆる手段を使用。
全体調整のツボとしては、三陰交をはじめ、陰虚に効くツボに施術。
熱すぎる頭には、保冷剤を使いながら鍼灸治療しました。
陰虚に対して、
陰のエネルギーを補うよう施術をするわけですが、
一度に食べれる量に限界があるように、
一度の治療で受け取れるエネルギー量にも限界があります。
重症であればあるほど、時間がかかります。
Mさんは、週1回の治療を地道に続けてました。
最初の夏は、まだまだ汗が出ていましたが、
年々汗の量が減り、3年後の夏は、
汗がかなり減ったのを実感できるようになったのです。
Mさんが最初にいらした時、
最後の手術(4回目)から2年以上がたっているのに、
手術の痕(幅約1cm長さ10cm以上)が赤くみみず腫れ状態でした。
Mさんはケロイド体質のため、傷痕が回復しずらかったのです。
鍼灸治療をしていくと、
徐々に腫れや赤みがおさまり、幅も細くなり、
今では、よく見なければわからない程度になりました。
皮膚表面の傷は見てわかりますが、
手術はお腹の中もいろいろ切っているので、
お腹の中にも傷痕があります。
皮膚表面の傷が薄くなったということは、
お腹の中の傷も良くなったのではないかと思います。
こういった傷痕は、気の流れを阻害します。
それを取り去ることは気の流れを良くし、
体質改善に大きく役立ちます。
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